人生相談
吉田、といいます。
仕事は、人生相談やってます。
始めてから20年、なにぶん上のつかえてる業界ですので、
この歳にしてようやく中堅かなあ、という感じです。
時節柄、って言うんでしょうか、ここに来て相談件数は増えてます。
不況知らずと言うか、むしろ不況様様と言うか、よくよく因果な業界ですね。
ありがたいことです。
とは言え、相談が増えれば相談も玉石混交、
前もって連絡いただければ「相談ハンドブック」をお配りして、
「問わずとも思わず答えたくなる相談の秘訣」、などの
アドバイスも差し上げているのですが、
最近は相談のイロハ、も知らない飛び込みのお客様が多い。
いちばん困るのは、
「かくかくしかじか、で、私はどうしたらいいんでしょう?」ってやつ。
こういう人たちは、私が「こうしたらいい」、と言ったら、そうするんですかね。
万が一そうだとするのなら、それは相談、じゃないですよね。
それは日本語で、依存、と言います。
依存は、業務外です。
私の仕事は相談です。
AかB、せめてAかBかCくらいにまで詰めてから先が、相談、
じゃないでしょうか。
ハイ次。
「夫に若い愛人がいるようなのですが、別れた方がいいのでしょうか?48歳主婦」
これは「若い」、というところがポイントですね。
「年上の愛人」、というのは、あまり聞かない。
うちに持ち込まれる案件でも、十中八,九「若い愛人」です。
その「若い愛人」は、若い男ではなく中年男を選択している。
文面だけを眺めていれば、なんかね、
「不倫は文化だ」的なニュアンスがあるんですが、
実際にはメタボ薄毛オヤジだったりするわけですよ。
にもかかわらず「若い愛人」は、
そのメタボ薄毛オヤジの「若い愛人」を喜々としてやっている。
あれがどうにも、わからない。
「若い愛人」の心中推し測りがたし、が私の回答です。
ハイ次。
「私には大きな夢があります。
その夢の実現に向けて会社を辞めるべきかどうか迷っています」
この相談者、明らかに自分に酔っています。
「迷っている」という言葉でわかります。
迷っている自分が、好きで好きでしょうがない。
そんな、大好きな迷っている自分のことを、人に聞いて欲しいだけ。
迷いマニア、ですね。迷イズム、もいいかもしれない。
とにかく、迷わないとやってられないのか、生きてる感じがしないのか。
まあせいぜい、大いに迷ってください。
そして迷わなくなったら、また相談してください。
ハイ次。
「親友とケンカをして、絶交してしまいました。
どうすれば元通りになれるでしょうか?」
・・・ほんとうに親友?
よく考えて。
ほんとうに親友だった?親友って、なに?親友なのかしら?
いつ決めた?親友だって、いつ決めた?
それ、親友と呼ぶのかしら。 呼ぶべきかしら、とあなたに聞いてるの。
あなた、他にも友達、いるでしょ?いるよね。
つまり、「友達うちの一人と、ケンカをしてしまいました」ってことでしょ?
そんなこと、相談するべきことかなあ。
ハイ次。
「子供をつくるなら、男女どちらがいいですか?」
こういう質問、好き。カンタンに答えが出るから。
カンタンに答えが出ると、こっちも気持ちいいし、
質問する側もスッキリするでしょう?
答え、女。
ハイ次。
「クルマにはねられて入院してから、3カ月になります。
その間に勤めていた会社が倒産し、
家計を助けようと無理してパート勤めを掛け持ちした妻が過労で倒れました。
娘は外によくない友達ができたらしく、家に寄り付かなくなっているそうです。
私の退院の見込みも立たず・・・(てんてんてん)エトセトラエトセトラ」
長い!
ハイ次。
「隣人トラブルに悩んでいます」
左隣?右隣?
それを書いて、もう一回、よろしく。
ハイ次。
エフエム東京「TOKYO COPYWRITERS’ STREET」2009年5月放送